老人ホーム東京のこれからの変化

現行の対策・施策だけでは、2010年の温室効果ガスの排出量は基準年比約7%程度増加になると予測され、実現するためには今後の更なる対応強化と、社会経済システム、生活スタイルを抜本的に見直さざるを得ない状況といえる。 部門別CO2排出量をみると、工場等の産業部門が40.3%、続いて業務・家庭等の民生部門が25.2%、運輸部門は全体の21.2%を占めている。
運輸部門の輸送機関別CO2排出量をみると、乗用車が56.4%、自家用トラックが11.3%、営業用トラックが16.7%となっており3)、すなわちトラックは、わが国全体の5.9%を排出していることとなる。 分担率はトンキロベースで約半分なのに対し、CO2排出量の約90%はトラックとなっており、単位輸送量あたりのCO2排出量は、鉄道の約10倍となっている。
特に、自家用トラックの効率が悪く、鉄道・海運への転換、営業用への転換が重要な対策である。 ロジスティクスと環境問題の関係を考える上において、まず問題となるのがトラック交通によって発生する排気ガス、騒音、振動といった都市環境の問題である。
特に、排気ガスは深刻な問題となっており、環境基準達成状況からみると、CO(一酸化炭素)、SO2(二酸化硫黄)は環境基準をすべて達成しているのに対し、NO2(二酸化窒素)は自動車排出ガス測定局全体で80.0%、特定地域では62.8%にしかいたっていない。 PM(粒子状物質)についても達成率は低い状況にあり、それぞれ66.2%、52.0%にとどまっている。
このように自動車から排出される大気汚染物質は、炭素酸化物、硫黄酸化物、PM等があるが、そのなかでもNOx(窒素酸化物)、PMについてはなかなか改善されていないことが指摘されている。 また、NOxの42%は、ディーゼル車によって排出されるものであり、PMについても43%となっている。
PMを減らすためには、ディーゼル車の走行をいかに減らすかが大きなポイントとなる。 自動車から排出される大気汚染物質を減らす対策は従来から行われてきたものの、なかなか進まないのが現状であった。
ながら、各地の自動車公害訴訟において、自動車からの排出ガスと健康被害との関係を認める判決が相次いで出たこと、東京都等による地方自治体でのディーゼル車に対する規制の動きが引き金となって、国のディーゼル車に対する規制も急速に強化されるなど、ディーゼル車に関わる環境対策は大きな転換期を迎えている。 自動車公害訴訟についてみると、1995年の西淀川判決で、自動車の排出ガスと工場排煙の複合汚染による健康被害との関係が初めて認められ、1998年の川崎判決では自動車の排出ガスと健康被害との関係が認められた。

2000年の尼崎公害訴訟では、国、阪神高速道路公団に対して被告への損害賠償の支払いを命じ、かつ患者側と国および公団との間で、自動車排ガス抑制策として、ロードプライシングの実施、大型車通行規制などを実施することとして和解が成立した。 2002年の東京大気汚染訴訟においても、国、都、首都高速道路公団に対して、公害病未認定の患者も含む被告への損害賠償の支払いを命じた。
このように、自動車の排出ガスと健康被害との関係が認められる判決が相次いでおり、国、地方自治体の対応が急務になったといえる。 現在、ディーゼル車排出ガス関連で特に問題となるのはNOx・PMに対する規制であり、3つの流れがある。
は新型のディーゼル車に対する規制である。 NOx・PM関連でみると、1989年中央公害対策審議会によって「今後の自動車排出ガス低減対策」が出され、1999年までに短期及び長期の二段階目標に従い削減するとした。
中央環境審議会は1998年の第3次答申で、2002年から2004年にかけて現行規制値比でNOx排出量を25〜30%、PM排出量を25〜30%削減する新短期規制、2007年にはさらにその2分の1以下とする新長期規制を提出した。 2000年の第4次答申では、新長期規制の時期を2007年から2005年に繰り上げ、PMの削減目標値をさらに強化すること、2002年の第5次答申では、具体的な新長期規制の削減目標値としてNOx排出量を41〜50%、PM排出量を75〜85%削減することとした。
この結果、特にディーゼル重量車のPMは大幅に規制が強化され、2002年までは0.259/kWh・2005年までは0.189/kWh、その後は0.0279/kWhとなる。 このように、削減目標値が厳しくなったことによって、従来わが国の規制値は、欧米に比べてNOxは厳しいもののPMに対しては緩いと指摘されていたが、同水準になったといえる。
既に保有している使用過程車についても対象とするものである。 NOx・PM法では、対策地域内での新たな車両登録ができず、かつ使用過程車についても、基準を満たさない車両については代替を義務付けられることになる。
従来自動車NOx法であったが、2001年NOx・PM法に改正され、削減対象にPMを加え、さらに対象地域についても首都圏、大阪・兵庫圏に愛知・三重圏を追加した。 猶予期間は原則として小型トラック8年、普通トラック9年としていたが、激変緩和措置として最大2年間期限を延長する措置がとられた。
地方自治体の条例によるものであり、走行を規制対象とするものである。 特に、東京都の事例が代表的であり、1999年にディーゼル車NO作戦として、東京でのディーゼル車の利用を減らすため、また、利用のあり方を変えるために、5つの提案を行った。
東京都におけるディーゼル車排出ガス規制は、2003年10月から実施されることとなった。 都条例による粒子状物質排出基準を満たさないディーゼル車は都内を運行することができないこととなる。

ディーゼル車はDPF(粒子状物質減少装置)装着かガソリン車等への代替を選択することとなる。 すなわち、東京都以外の事業者が保有しているディーゼル車についても、基準を満たさない場合、走行することができないこととなる。
また、初年度登録から7年が規制の猶予期間となっている。 以上3つのうち、は新型車が対象であるが、後の2つは使用過程車も対象となる。
NOx・PM法、地方自治体で進められている条例が施行されれば、旧規制のトラックの保有割合が高く7)、トラックを多く保有している物流業者への影響も非常に大きいと考えられる。 物流業者へのアンケート調査結果によると、多くの物流業者は影響を受けるとしており、対応として新車代替、廃車して代替しない、規制対象外地域への本拠地移動をせざるをえないとしている。
また、東京都条例で求められているDPFについても、その技術は現段階では不明の部分も多く、かつ装置の値段が非常に高いことが問題である。 運賃水準の低下、物流需要の減少、燃料費の高騰など、経営状況の悪化が続いているなか、さらにディーゼル車の排出ガス規制により、中小企業を中心に多くの物流業者が廃業し、雇用に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘されている。
このように、ディーゼル車対策は単に環境対策という面だけでなく、産業全般への影響も大きい。 ディーゼル車はロジスティクス活動を担い、われわれの生活を支えている。
ディーゼル車の問題は、事業者だけの問題と捉えられがちであるが、生活あるいは事業を行うすべての人は被害者である一方で、加害者であるともいえる。


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